陶祖祭

【陶祖 加藤太郎左衛門尉景重公】
妻木小学校の南西に妻木の陶祖 加藤太郎左衛門尉景重公の御威徳を印した碑が建っています。
昭和12年に着工し 翌13年5月25日に除幕式を行なっています。
高さは約4メートル 幅1.5メートル 基壇の石積みからは 6メートルもある大型の石碑です。
その石碑に刻まれた陶祖の御威徳を簡単に紹介します。
妻木陶祖碑
陶祖である加藤太郎左衛門尉景重は加藤四郎右衛門景延の子で古説によると景重が 妻木に来て農業の傍ら陶器を創始しました。元亀元年 (1570)妻木領主の普請の際屋根瓦の製作を命じられ力作を納めた事により天下一筑後窯の免許を賜わりました。元和7年 (1622)その子 長三郎に妻木玄蕃頭嘉中より 江戸書院の瓦の焼成を仰せ付けられ翌年これを納めました。天保2年 天下泰平 国家安穏 領主の武運などを祈念し妻木庚申堂に香炉を献上。
天保5年 妻木神社に高杯一双を献上。その遺品は今尚 現存しており 冨時の追憶や敬慕とを十分に感じられます。その後の系譜が不詳なのは残念なのですが筑後窯の後 製陶業に従事する者は次第に増え 各種製品を輸出するに至りました。文化文政の頃には磁気を焼成するに至り明治17年 18年頃には輸出コーヒー碗を創始する様になりました。陶祖がこの地で製陶を始めて370年あまり この生業を継ぐ者は益々増加し近年著しく発達を遂げ今や 輸出コーヒー碗の主産地として 各種製品 年額ゆうに数百万円に達し 内需を増進し民を豊かにするに至った事は陶祖の御威徳にほかなりません。ここに有志が碑を建てこの徳を後世に残します。昭和12年2月9日》
妻木陶祖
陶祖碑建立から80数年。
昭和から平成そして 令和へと時代は移り変わります。苦難多き時代ではありますが先人の志を引き継ぎ 鋭意工夫を重ねて参ります。皆様 新たな時代も宜しくお願い致します。
妻木陶祖3
妻木陶磁器工業協同組合